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【元芸人/現構成作家が】R-1グランプリ2021決勝を採点

ことりです。構成作家・脚本・イベント制作を生業としております。
私、ことりはかつて吉本興業で4年少々芸人やっておりました。今もお笑いが好きというのは変わらず、いわゆる賞レースの決勝は毎回録画して自分なりに採点して順位をつけております。今回は「R-1グランプリ2021」を勝手に採点してみました。
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R-1グランプリ2021の採点をしてみた

今年からリニューアルされた「R-1グランプリ」。なんと言っても出場資格が芸歴10年以内になったのが一番大きな変更ですが、決勝の審査方法も変更となりました。
  • 7人の審査員が1人100点の持ち点で審査。合計700点満点。
  • 視聴者がTwitterの投票機能を使い、「爆笑!(+5点)」「面白い!(+3点)」「いいね!(+1点)」のいずれかに投票。3択のうち獲得票の割合が一番多かったものの得点が加算され、例えば「爆笑」が一番多かった場合は視聴者ポイントは5点になります。

項目に分けて勝手に採点

私は項目に分けて勝手に採点し、その合計点を芸人ごとに出してみました。無観客だった昨年2020年とは違って今回観客は入ってましたが、テレビで観た際に笑い声の大小がわかりづらかったのと、ピン芸という芸の性質的にウケよりもむき出しになる“人”と“ネタ”で審査した方が良いかと思い、以下の基準で採点しました。

  • 合計100点満点で採点。
  • 【構成】:30点満点(R-1決勝に出てくる最低ラインを24点として採点)。
  • 【表現力】:30点満点(R-1決勝に出てくる最低ラインを24点として採点)。
  • 【オリジナリティー】:30点満点(R-1決勝に出てくる最低ラインを24点として採点)。
  • 【エクストラポイント】は10点満点で基準点は5、クスッとくるポイントがあれば加点、あとは出番順や個人的つぼなどで加点します。

1stステージ

①マツモトクラブ(復活ステージ1位)

構成 27
表現力 27
オリジナリティー 27
エクストラポイント 7
合計 88
ドラマチックな展開をしっかり演じきる力に1ポイント、トップ出番の難しさで1ポイント加算でエクストラポイントは7になりました。

寸評

  • 前半の展開を完全にフリにして、後半違うシチュエーションで同じセリフを言って伏線回収するという方法は見事。
  • ただフリの部分が長くて、1つ目のボケまでかなり時間が掛かっていました。
  • 良くできているが笑いどころがあまり無いネタという印象。前半あれだけしっかり振ってるなら、なおいっそう後半で畳みかけるボケは欲しいかなと思いました。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
3 89 93 93 94 88 89 88 637

②ZAZY

構成 28
表現力 28
オリジナリティー 29
エクストラポイント 9
合計 94
登場して少し間をとって「要素多いでしょ」でちゃんと掴んだところで1ポイント、「フリー素材でツッコむな」で1ポイント、「果樹園なんですけど」で1ポイント、拍手笑いがしっかり起きていたので1ポイント加算でエクストラポイントは9になりました。

寸評

  • テンポもありボケ数も多く、良く練られたフリップネタでした。
  • 4箇所のフリップを「春」「夏」「秋」「冬」の季節でくくって、ネタを展開させていく構成も巧み。
  • ZAZY独自の世界観とリズムでしっかり観る人の心を掴んでいた印象。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
5 93 95 95 99 95 93 94 669

③土屋

構成 25
表現力 26
オリジナリティー 26
エクストラポイント 6
合計 83
「田原俊彦」で最後までやりきる剛腕っぷりに1ポイントでエクストラポイントは6になりました。

寸評

  • 「田原俊彦」で押し切れる地肩の強さはあるが、大きな展開が無く一本調子という印象は否めません。
  • 時間経過や切迫感、緊張感などが感じられず、感情を動かされることが少なかった。
  • よりネタの世界に引き込むようなBGMや小道具といった演出面での工夫がもう少し必要かなと思いました。
  • あくまで個人的な提案ですが、例えばあそこまでトシちゃんで押すならトシちゃんの楽曲が頭をよぎるとか、トシちゃんぽい動きをしてしまうとかがあってもいいのかも。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
1 88 96 94 95 93 90 90 647

④森本サイダー

構成 27
表現力 28
オリジナリティー 27
エクストラポイント 9
合計 91
「今のコント見てどう思いましたか?」で1ポイント、最初のコントをフリにするフリップネタで1ポイント、「リュックでかいねん」で1ポイント、「今里に何があんねん」で拍手笑いがきて1ポイント加算でエクストラポイントは9になりました。

寸評

  • 前半のコントで客席から悲鳴が少し起きるような展開で、それをフリにした後半のフリップでのセルフツッコミという形は素晴らしかったです。
  • セルフツッコミのポイントも的確できっちり笑いになっていました。
  • フリップの箇所終わってからあとの、後半最後の30秒位わめいてるシーンが少しダレた印象。ちょっともったいない終わり方でした。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
1 91 91 96 96 92 90 93 650

⑤吉住

構成 27
表現力 28
オリジナリティー 27
エクストラポイント 7
合計 89
状況を観客に想像させるのが難しいファンタジーなネタをしっかり演じきる演技力に1ポイント、「マジかよ〜」→「射殺してください」で1ポイント加算クストラポイントは7になりました。

寸評

  • 「こんなネタもあるんですね〜」とネタ終わりで本人も言ってましたが、【THW W】とは違うテイストのネタで吉住の守備範囲の広さを感じました。
  • 土屋と違って、BGMや照明の変化でしっかり状況と展開をわからせる演出をしていたので“お話”に引き込まれました。
  • ストーリーとして良くできているが、とはいえやはり笑いどころが少ない印象。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
5 90 95 94 94 91 89 88 646

⑥寺田寛明

構成 26
表現力 26
オリジナリティー 26
エクストラポイント 6
合計 84
「冷凍グラタンの真ん中が永遠にシャリシャリ」で1ポイント加算でエクスクストラポイントは6になりました。

寸評

  • 英語の文章で振って日本語訳で落とすというオーソドックスな作りのネタ。
  • となると、よっぽど一つ一つのボケが強いか、予想を裏切る展開が無いと高得点には繋がりづらいかと。
  • フリップを使うネタはもう一捻り、一工夫無いと決勝の舞台では地味な印象になってしまうと思いました。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
5 87 89 93 93 89 88 89 633

⑦かが屋 賀屋

構成 28
表現力 29
オリジナリティー 28
エクストラポイント 8
合計 93
最初の登場ツカミでしっかり世界観に引き込んで1ポイント、説明セリフほぼ無しで状況をちゃんとわからせる作りにポイント、シチュエーションと演技でしっかり笑いを取る力に1ポイント加算でエクストラポイントは8になりました。

寸評

  • 最後のオチまでダレるところが無く、ネタ時間の使い方含め非常に良くできた一人コント。
  • セリフが少ないのに、しっかり状況を観客にわからせて話に引き込む演技力は見事。
  • 特に小道具の使い方、見せ方が絶妙。タイミングや間合いがすごく上手でした。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
5 90 93 96 93 94 92 90 655

⑧kento fukaya

構成 28
表現力 27
オリジナリティー 27
エクストラポイント 8
合計 90

3面フリップを使い舞台を広く使うネタの作りに1ポイント、「8リーチ、N0ビンゴ」で1ポイント、後半尻上がりの畳み掛けで1ポイント加算でエクスクストラポイントは8になりました。

寸評

  • 3面の大きなフリップを使い、その3面の使い方も工夫があってダイナミックで視覚的にも見やすいネタでした。
  • 後半尻上がりの畳み掛けが素晴らしかったです。欲を言えば前半のネタの精度がもう少し上がると更に良かったかも。
  • 前半のネタが後半のフリになってたり、一つ一つの小ネタが単発で終わらない工夫があると更に笑いが増えるかと。
  • 力はあるので、もう一工夫あるとチャンピオンへの道が見えてくる気がします。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
5 92 90 94 93 92 92 92 650

⑨高田ぽる子

構成 27
表現力 28
オリジナリティー 28
エクストラポイント 8
合計 91
乳首が取れた歌→買いに行こうで1ポイント、堂々と独自の世界をやり切る潔さで1ポイント、後半にきてリコーダーを吹き始めるところで1ポイント加算でエクスクストラポイントは8になりました。

寸評

  • 芸歴2年とは思えないほど堂々としていて、舞台度胸が素晴らしかったです。
  • 独自のぶっ飛んだネタの世界観をこのまま貫いて欲しいです。キャリアを重ねるとより味が出てきそう。
  • 他にどんなネタがあるのか気になる存在。将来が楽しみです。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
5 93 89 95 92 92 93 93 652

⑩ゆりあんレトリィバァ

構成 28
表現力 28
オリジナリティー 28
エクストラポイント 8
合計 92
「ちゃうねん」の天丼がしっかりウケていて1ポイント、ロッカーに植物で拍手笑いも起きて2ポイント加算でエクスクストラポイントは8になりました。

寸評

  • 基本やりたい放題に見えるネタだが、そこに至るまでの前半の導入から小道具の使い方まで、しっかり構成も練られていて見事。
  • ネタとゆりあん自身の愛嬌やタレント性などがうまく融合して、満遍なくきっちり笑いを取っていました。
  • 10年以内という括りだとやはり”笑いを取る”ことに関しての地肩の強さ、底力が一歩抜けてる印象。
審査員の点数
視聴者 陣内 友近 ホリ 古坂 野田 川島 ザコシ 合計
5 95 94 95 97 95 93 92 666

1stステージの結果

私の採点の上位3組は

  • 1位:ZAZY94点
  • 2位:かが屋 賀谷93点
  • 3位:ゆりあんレトリィバァ92点

でした。審査の結果、Finalステージに進出したのは

  • 1位:ZAZY669点
  • 2位:ゆりあんレトリィバァ666点
  • 3位:かが屋 賀谷655点

の3組で、私の予想と順位こそ違えどメンツは同じになりました。

Finalステージ

Finalステージは1stステージ3位→2位→1位の順にネタ披露です。

①かが屋 賀屋

構成 26
表現力 28
オリジナリティー 26
エクストラポイント 9
合計 89
説明セリフ極力なしで状況をわからせる演技力の素晴らしさで1ポイント加算でエクストラポイントは6になりました。

寸評

  • 1stラウンド同様極力説明セリフ少なくしながら、しっかり状況を観客にわからせて話に引き込む演技力は見事。
  • ただ1stラウンドのネタの方が明らかにネタとしては完成度が高く、それに比べると笑いどころの少なさや、展開の少なさを感じてしまいました。
  • この2本目のネタも部屋の中の何か小道具など使ったりして、もう少し“おなら”以外の話題にずらすなど、観客の視線を他に向ける一工夫があれば良かったのかも。

②ゆりあんレトリィバァ

構成 27
表現力 28
オリジナリティー 28
エクストラポイント 7
合計 90

「思いましたよね」の天丼でしっかりウケており1ポイント、急にシャワーを浴びにいく流れに1ポイント加算でエクストラポイントは7になりました。

寸評

  • ゆりあんレトリィバァの認知度、ダイエットしたことなど、“知られている”“キャラクターバレしている”ことを上手く生かしたネタでした。
  • 1本目同様やりたい放題やってるようでいて、セットやBGMの使い方などすごく考えられていて、上手く使ってる印象。
  • 独りよがり度合いはこの2本目の方が強く、ゆりあんのキャラ含め好き嫌いはわかれるネタだとは思います。

③ZAZY

構成 27
表現力 27
オリジナリティー 28
エクストラポイント 6
合計 88
「白いZAZYに見慣れて頂く時間となっています」で1ポイント加算でエクストラポイントは6になりました。

寸評

  • 1stステージと同じく、4つのフリップを左上→右上→左下→右下とめくっていく流れで、見てる側がシステムとZAZYのキャラに慣れてしまった印象。
  • なので、よほど1つ1つのボケが強かったり裏切りが無いと、1本目よりもパワーダウンしてしまう感じは否めません。
  • 2本同じようなシステムのネタをするのであれば、4つあるフリップの使い方を変えるとか、そういう裏切りや違う展開を見たくなってしまいました。
  • 例えば左上と左下のフリップの絵が繋がっているみたいな流れをもっと利用するとか、もっと4つのフリップをランダムに使う見せ方にするとか、演出面での工夫があれば点数が違ったのかもしれません。
  • そしてやはりクリップの取り忘れは痛恨のミス。あそこで流れが一旦止まってしまいました・・・。

Finalステージの結果

私の採点では

  • 1位:ゆりあんレトリィバァ90点
  • 2位:かが屋 賀谷89点
  • 3位:ZAZY88点

でした。Finalステージ審査の結果は

  • 1位:ゆりあんレトリィバァ663点
  • 2位:ZAZY656点
  • 3位:かが屋 賀谷650点
 ゆりあんレトリィバァが優勝、新生「R-1グランプリ」の新チャンピオンとなりました。
ということで、R-1グランプリ2021の採点をしてみました。番組全体の事や審査に関してなどについて、次回書きたいと思います。
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