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【元芸人/現構成作家が】R-1ぐらんぷり2020を採点

ことりです。44歳。2019年7月1日よりフリーランスとして活動中。
私、ことりはかつて吉本興業で4年少々芸人やっておりました
今もお笑いが好きというのは変わらず、いわゆる賞レースの決勝は毎回録画して自分なりに採点して順位をつけております。

R-1ぐらんぷり2020の採点をしてみた

今回はR-1ぐらんぷり2020の採点をしてみました。どうやっても印象批評というか好みになるのは否めないのですが、漠然と100点満点で点数付けするのではなく、項目を分けて採点してその合計点を芸人ごとに出してみました。今回は無観客となりますので本来は重要な要素となる客ウケを除外して
  • 【構成】【表現力】【オリジナリティー】がそれぞれ30点満点。R-1決勝に出てくる最低ラインを24点として採点。
  • 【エクストラポイント】は10点満点で基準点は5、クスッとくるポイントがあれば加点、あとは出番順や個人的つぼなどで加点します。
合計100点満点で採点してみました。まずはファーストステージから。

Aブロック

①メルヘン須長

構成 24
表現力 27
オリジナリティー 25
エクストラポイント 7
合計 83
最後の「質問箱やってる奴はバカ」でクスッときたので1ポイント、あと無観客とはいえトップ出番の難しさで1ポイント加算でエクストラポイントは7になりました。
寸評:沢口靖子のモノマネを乗っけてはいるが、ネタはフリップで振っといて落とすネタの羅列で、ボケもそこまでぶっとんでるものではなくオーソドックス。あと1つ目のボケまで少し時間が掛かったかと。ただモノマネのクオリティーはやはり高い。もっと沢口靖子を生かしたネタの方が良いのではと個人的には思いました。

②守谷日和

構成 25
表現力 28
オリジナリティー 25
エクストラポイント 8
合計 86
“重要亭参考人”で1ポイント、そして最後のオチの美しさで1ポイント、フリップなしの一人コントやりきりで1ポイント加算でエクストラポイントは8になりました。
寸評:上手さはすごく感じるが、いかんせん個人的に笑いどころが少なかったです。一箇所でも爆発的に笑えるところがあれば。技術は確かなので今後よりハマる設定と爆発力に期待。

③SAKURAI

構成 27
表現力 27
オリジナリティー 27
エクストラポイント 9
合計 90
ど頭必要最低限の説明(説明セリフ少なめ)でロックミュージシャンぽくネタに入ったところで1ポイント、「燃えるゴミとして出せないもの」で1ポイント、「徳川15代肖像画の顔の向き」で1ポイント、「モロヘイヤの生産量第5位から10位」で1ポイント加算でエクストラポイントは9になりました。
寸評:いわゆるギター漫談形式ではあるがフリに対してボケがちょっとズラしてくる、裏切ってくる(例えば「モロヘイヤの生産量」。それもベスト5ではなく第5位から10位というチョイス)その具合が絶妙でした。欲を言えば前半で振ったネタが後半でまた出てきたりとか、もう一つ何か展開があれば更に良かったのかなと。

④マヂカルラブリー野田クリスタル

構成 28
表現力 28
オリジナリティー 30
エクストラポイント 10
合計 96
「桃鉄〜太ももが鉄のように硬い男てつじ」タイトルで1ポイント→最初のゲームオーバーで1ポイント、「このゲームわかった」からのゲームオーバーで1ポイント、左に下がってゲームオーバーで1ポイント、ゲーム自体の出来の素晴らしさに1ポイント加算でエクストラポイントは10になりました。 ※ネタ見てないとなんのこっちゃわかりませんが。
寸評:得意の自作ゲームを使ったネタですが、ゲーム自体のシュールさと世界観にゲーム作者が突っ込んでるというか、そもそもボケてるかというとボケてるわけではないのに笑えるという不思議ネタで、なんとも解説するのが難しいのですが、シンプルに面白いし発想が見事です。
お茶の間d投票→マヂカルラブリー野田クリスタル3ポイント、メルヘン須永2ポイント、SAKURAI1ポイント。
ツイッターポイント→マヂカルラブリー野田クリスタル3ポイント、守谷日和2ポイント、SAKURAI1ポイント。
審査員→野田クリスタル9ポイント、SAKURAI7ポイント、守谷日和2ポイント。
合計→マヂカルラブリー野田クリスタル15ポイント、SAKURAI9ポイント、守谷日和4ポイント、メルヘン須永2ポイントマヂカルラブリー野田クリスタルがファイナルステージ進出。

Bブロック

⑤ルシファー吉岡

構成 25
表現力 27
オリジナリティー 26
エクストラポイント 8
合計 86
「付き合ってたっけ?」で1ポイント、「最悪でも自分、最高石川」で1ポイント、一人コントやりきりで1ポイント加算クストラポイントは8になりました。
寸評:決勝常連となる「ルシファー」。今年もとても上手くまとめたネタで演技力もあってマイナスポイントは無いのですが、やはりこれまで同様に突き抜ける何かが無いイメージ。ルシファーにしかない振り切ったストロングポイントを見せて欲しいところ。

⑥ななまがり森下

構成 28
表現力 26
オリジナリティー 29
エクストラポイント 9
合計 92
「コント乳首隠せない男」タイトルで1ポイント、「貝殻のブラがある」→「しじみ」で1ポイント、「乳首を電流イライラ棒的なゲームで・・・(書いてて伝わると思えない)」で1ポイント、くだらなさすぎて1ポイント加算でエクスクストラポイントは9になりました。
寸評:「乳首隠せない男」というだけでここまで持たせることが出来るのはお見事。隠そうとするその手段は意外と多岐に渡っていて考えられています。最後のオチが一旦ハケて期待を持たせた割には、その期待を上回る感じじゃなかったのは少し残念。

⑦パーパーほしのディスコ

構成 26
表現力 27
オリジナリティー 25
エクストラポイント 6
合計 84
ボケは滑ってるところは無いが、個人的にハマる箇所は無かった。一人コントやりきりで1ポイント加算でエクストラポイントは6になりました。
寸評:しっかり作られた一人コントで表現力はさすがですが、普段ハーパーというコンビでやってるので、だったらこの設定で二人でやればもっと面白いネタになったのでは?という感想がどうしても出てきてしまいます。一人でしか出来ないネタを見てみたかった。

⑧すゑひろがりず南條

構成 29
表現力 28
オリジナリティー 27
エクストラポイント 9
合計 93

「これの間は消えてることです」で1ポイント、「ハニーフラッシュ」→「蜂蜜ピカリ」で1ポイント、後半の「今」と「昔」を行ったり来たりするところの畳み掛けで2ポイント加算でエクスクストラポイントは9になりました。

寸評-昨年のM-1でインパクトを残したスタイルをピン芸に。「今」と「昔」のセンターラインをまたぐと話言葉と所作が変わるという設定はお見事。ただ「昔」に移った後のセリフをツッコミが繰り返したりというのが無いので、一回で追うのが結構大変。バラエティー番組にテロップが必須になる意味がわからなくも無い瞬間でした。
お茶の間d投票→すゑひろがりず南條3ポイント、ハーパーほしのディスコ2ポイント、ななまがり森下1ポイント。
ツイッターポイント→すゑひろがりず南條3ポイント、ハーパーほしのディスコ2ポイント、ルシファー吉岡1ポイント。
審査員→ななまがり森下8ポイント、ハーパーほしのディスコ5ポイント、すゑひろがりず南條3ポイント、ルシファー吉岡2ポイント。
合計→ななまがり森下9ポイント、ハーパーほしのディスコ9ポイント、すゑひろがりず南條9ポイント、ルシファー吉岡3ポイントで3人同点となるが、同点の場合は“お茶の間dポイントとツイッターポイントの合計が高い人が勝ち抜け”というルールによりすゑひろがりず南條がファイナルステージ進出。

Cブロック

⑨ヒューマン中村

構成 26
表現力 25
オリジナリティー 25
エクストラポイント 7
合計 83
「フードコートの呼び出しブザー」で1ポイント、最後のオチがキレイに決まったので1ポイント加算でエクスクストラポイントは7になりました。
寸評:まとまってるけど個人的にはあまり笑いどころが無かった。これまでやってたフリップネタの方が好みです。出番順的にもいろんな種類のネタ見た後なので、もっとインパクトのあるネタじゃ無いと厳しいかなという印象です。

⑩おいでやす小田

構成 27
表現力 26
オリジナリティー 26
エクストラポイント 8
合計 87
「ロイヤルミルクティー」で1ポイント、「初老の老人 車で送る事です」で1ポイント、「フランス料理〜エスカルゴ」の畳み掛けで1ポイント加算でエクスクストラポイントは8になりました。
寸評:客席に問いかけるスタイルになるので無観客の影響を受けた感は否めません。あとは「ラ行」を巻き舌で言うネタだとして「借金回収を教える」という設定がよかったのかどうか?番組内で関根勤さんも「お客さんに“怖い”と思われた”のでは」という趣旨のことをおっしゃってましたが、一般審査の評価の低さはそれが原因だと思います。

⑪ワタリ119

構成 30
表現力 28
オリジナリティー 28
エクストラポイント 9
合計 95
「僕には投票しないでください」で1ポイント、なかなかめくらないスカし方に1ポイント、「最後時間が余ったのでギャグします」で1ポイント、フリップネタのクオリティーも全般的に高かったので1ポイント加算でエクスクストラポイントは9になりました。
寸評:「さんまのお笑い向上委員会」等での印象しか無かったが、良い意味で予想を覆す出来でした。ネタもしっかり練られていてわざと前半フリップネタに行かず焦らすところなど構成も素晴らしかった。今後にも期待したいです。

復活ステージ1位-大谷健太

構成 29
表現力 27
オリジナリティー 29
エクストラポイント 9
合計 94
「飲み水盗みミミズク」で1ポイント、「祖母ボソボソ祖父モフモフ」で1ポイント、「急にきゅうり9本食う子急増」で1ポイント、後半の畳み掛け(前半の伏線回収含め)の見事さで1ポイント加算でエクスクストラポイントは9になりました。
寸評:とても良く出来たフリップネタで前半で使ったボケを後半で回収したり構成も上手。ただ、ワタリ119の高速めくりを見た後だともっとハイテンポを期待してしまったかも。あとは早く言う際に噛んでは無いのですが、もっとさらっと言えた方がボケが入ってくるのにとも思ってしまいました。でも良く出来てるので今後に期待。
お茶の間d投票→ワタリ119に3ポイント、大谷健太2ポイント、ヒューマン中村1ポイント。
ツイッターポイント→ワタリ119に3ポイント、大谷健太2ポイント、ヒューマン中村1ポイント。
審査員→大谷健太7ポイント、おいでやす小田8ポイント、ワタリ119に3ポイント。
合計→大谷健太11ポイント、ワタリ119に9ポイント、おいでやす小田8ポイント、ヒューマン中村2ポイントで復活ステージから上がってきた大谷健太がファイナルステージ進出。ここだけ私の採点と審査結果が異なりました。

ファイナルステージ

①マヂカルラブリー野田クリスタル

構成 28
表現力 28
オリジナリティー 29
エクストラポイント 9
合計 94
「予備ストッキング」で1ポイント、ラストのオチの「課金」で1ポイント、ゲーム自体のクオリティーの高さに2ポイント加算でエクストラポイントは9になりました。
寸評:野田クリスタルにしか出来ない唯一無二のネタ。陣内智則さんのようにゲームのおかしなところ(ボケ)に対してバシバシ突っ込むのでは無く、あくまでゲームを普通にプレイする中で発生する事象に、リアクションする感じで突っ込むという不思議なネタだが文句なしに面白い。そもそもゲーム自体が1つの作品として完成しており(既にゲームは「野田ゲー」としてバラエティ番組で扱われてたりするが)その方面でも更に活躍しそう。

②すゑひろがりず南條

構成 28
表現力 25
オリジナリティー 27
エクストラポイント 7
合計 87

「近う寄れ」と「お触り」の流れに1ポイント、「またぎ・ザ・ベストテン」というシステムに1ポイント加算でエクストラポイントは7になりました。

寸評:1本目のネタと違い「今」と「昔」を行ったり来たりが出来ず「今」→「昔」の一方通行というのが単調に思えました。「今」で歌っているフリの時間がちょっと待ち時間になってしまいがちな気も。見せ方の工夫はすごく感じるので惜しいネタでした。

③大谷健太

構成 28
表現力 26
オリジナリティー 27
エクストラポイント 7
合計 88
「犬に人入ってた」で1ポイント、「こいつ影が無い」で1ポイント加算で加算でエクストラポイントは7になりました。
寸評:こちらも「2コマまんが」でどうしても1コマ目のフリが待ち時間になってしまい、例えばあるボケ(2コマ目)で受けても、1枚めくると次のボケのフリになってリセットされてしまうのがもったいない。もっとどんどんボケを羅列する方向でいい気がしました。
お茶の間d投票→マヂカルラブリー野田クリスタル3ポイント、大谷健太2ポイント、すゑひろがりず南條1ポイント。
ツイッターポイント→マヂカルラブリー野田クリスタル3ポイント、大谷健太2ポイント、すゑひろがりず南條1ポイント。
審査員→マヂカルラブリー野田クリスタル10ポイント、大谷健太5ポイント、すゑひろがりず南條3ポイント。
合計→マヂカルラブリー野田クリスタル16ポイント、大谷健太9ポイント、すゑひろがりず南條5ポイント、でマヂカルラブリー野田クリスタルが優勝私の採点も同じ結果となりました。
ということで、R-1ぐらんぷり2020の採点をしてみました。番組全体の事や審査に関してなどについて、次回書きたいと思います。