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元芸人の構成作家が【M-1グランプリ2021】決勝を勝手に採点

私、ことりはかつて吉本興業で4年少々芸人やっておりました。今もお笑いが好きというのは変わらず、いわゆる賞レースの決勝は毎回録画して自分なりに採点して順位をつけております。今回はM-1グランプリ2021決勝の採点をしてみました。
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Mー1グランプリ2021決勝の採点をしてみた

M-1グランプリ2021決勝の審査方法は前年と変わらず
  • 「ファーストラウンド」は7人の審査員が1人100点の持ち点で審査。
  • 1組のネタが終わるごとに「笑神籤(えみくじ)」というクジで、次にネタを披露する芸人が決まる。
  • 昼間に行われた敗者復活戦によって、1組が決勝に勝ち上がる。
  • ファーストラウンド10組のネタ終了後、得点上位3組が「最終決戦」に進出。
  • 最終決戦はファーストラウンド3位→2位→1位の順に2本目のネタを披露し、審査員は3組のうち1組に投票。最も票数を集めた芸人が優勝となる。

という方式です。

項目に分けて勝手に採点

今回私は項目に分けて勝手に採点し、その合計点を芸人ごとに出してみました(以下敬称略)。

  • 合計100点満点で採点。
  • 【構成】:25点満点(決勝に出てくる最低ラインを20点)。
  • 【表現力・熱量】:25点満点(決勝に出てくる最低ラインを20点)。
  • 【オリジナリティー】:20点満点(同じく決勝最低ラインを15点)。
  • 【客受け】:20点満点(同じく決勝最低ラインを15点)。
  • 【エクストラポイント】:10点満点で基準点は5、クスッとくるポイントがあれば加点、あとは出番順や個人的つぼなどで加点。

ファーストラウンド

①モグライダー

内容:「さそり座の女」の歌い出し

構成 23/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 19/20
客受け 18/20
エクストラポイント 9/10
合計 93/100
「いいえ私はさそり座の女」→直前に当てずっぽうで星座と性別を聞いてきた輩がいるという設定の秀逸さで1ポイント、イントロからの歌い出し「いいえ私は」で拍手笑いが起きて1ポイント、「美川さん、美川さん」「この時間もったいないんだよ」の拍手笑いで1ポイント、最後「そうよ私は」の拍手笑いで1ポイント、エクストラポイントは9になりました。

寸評

  • おバカでわかりやすくて、でも他にはない目の付け所の秀逸な設定で「これを4分の漫才にしてしまうのはスゴイ」というのが最初の印象です。
  • 1シチュエーションで押し切る2人の力、特にツッコミの芝がボケのともしげを操る手綱捌きと堂々とした立居振る舞いは見事。
  • 審査員富澤が言ったように「バカなのに知的に見えた」がイイところでもあり、後に登場する「錦鯉」の“ただひたすらバカなおじさん”と比較すると、マイナスポイントでもあったかもしれません。
  • 欲を言えば、ボケのともしげがもっと振り回せされてアタフタするところがあると、もっと爆笑が起きたかもしれませんが・・・。
  • トップバッターとして審査員7人制での最高得点をマーク。番組に勢いをつける意味でも役割を果たし、「今年もいい大会になるな」という予感と期待を持たせてくれました。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
91 93 92 89 90 89 93 637

②ランジャタイ

内容:風が強い日に玄関の扉を開けると猫が飛んできて・・・

構成 21/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 19/20
客受け 18/20
エクストラポイント 9/10
合計 90/100
「この時この猫ちゃん飼う?」→「飼わない」で1ポイント、「将棋ロボだ」での拍手笑いで1ポイント、ムーンウォークでの拍手笑いで1ポイントで、オチの「ダブル将棋ロボだ」での拍手笑いで1ポイント、エクストラポイントは9になりました。

寸評

  • はちゃめちゃというか独特のランジャタイでしか表現できない設定・世界観をしっかり演じ、それをお客さんに理解させ、自分たちがやりやすい場を作る力が素晴らしい。
  • その要因として去年の敗者復活から露出が増えて認知度が上がったことも大きいと思いますが、ツッコミ伊藤の安定感とボケの国崎のマイムの上手さも感じました。
  • ただ構成や話術とか、それこそ“漫才”としての評価という意味言うと実に審査員泣かせなコンビだとは思います。
  • こちらのコンビは順位云々よりも決勝進出して、こんなコンビがいる・こんな漫才があるというインパクトを与えたという意味で非常に意義があったと思います。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
87 91 90 96 89 87 88 628

③ゆにばーす

内容:ディベートの練習

構成 23/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 18/20
客受け 18/20
エクストラポイント 10/10
合計 92/100
拍手煽り→「悩みあんだよ」の掴みの上手さで1ポイント、「俺爆裂不利やんけ」での拍手笑いで1ポイント、「やるじゃねえか」と言ってツッコミの川瀬名人の下半身にグータッチするところの拍手笑いで1ポイント、「触ってないですよ」で拍手笑いが起き1ポイント追加、「こんな勝ち方イヤ」で拍手笑いが起き1ポイント追加でエクストラポイントは10に。

寸評

  • トリッキーな漫才が2組続いたところで、やっと正統派な漫才がきたという安心感がありました。
  • ツッコミの川瀬名人が気合入りすぎたのか、少々かかり気味な感じがしたのがもったいなかった。
  • ボケのはらが「やるじゃねえか」と言ってツッコミの川瀬名人の下半身にグータッチするところウケてましたが、テレビで見た時はセンターマイクに隠れて見づらかったのが惜しかった。
  • 後半もっと短いセンテンスの応酬で笑いを積み重ねられたらもっと高得点になったかもしれません。
  • 前に決勝に出た時よりも確実に技術的にもネタのクオリティー的にも上がっており、更なる進化が期待できるコンビです。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
89 92 91 91 93 88 94 638

④ハライチ

内容:運動を始めよう

構成 22/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 17/20
客受け 16/20
エクストラポイント 7/10
合計 86/100
ボケの岩井の暴れっぷりで拍手笑いが起き1ポイント、「怒り慣れてない人の怒り方」で1ポイント、エクストラポイントは7になりました。

寸評

  • ラストイヤーに自分たちのやりたいネタをやり切ったという印象。15年分の想いと熱をしっかり感じるネタでした。
  • 同時にしゃべってもしっかり聞き取れ、暴れていてもどっしりと落ち着きがありその辺の技術はさすが。
  • ただやはり岩井の暴れ方がワンパターンというか変化があまりなく、1回目の暴れた時の笑いからだんだん笑いが減っていった。
  • それまでのコンビと比べて笑いの量が少なかったので、この結果は致し方ないかと。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
88 90 89 90 89 92 98 636

⑤真空ジェシカ

内容:1日市長をやってみたい

構成 24/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 18/20
客受け 18/20
エクストラポイント 10/10
合計 93/100
「お詫びして定時制入ります」で1ポイント、「すみません、駒澤大学しかなくて」で1ポイント一発目の。「二進法で頼むんだ」で1ポイント、「理系のおばあちゃん初めて見た」で1ポイント、「ミッキーは1人じゃないですか」で1ポイント、ハンドサインでのヘルプミーで1ポイント、エクストラポイントは10。

寸評

  • しっかりツカミがあり、「お詫びして定時制入ります」「冗談はたておき」などのクスッとくる小ボケあり、大きな笑いを取れるボケありと、丁寧に作り込まれたよくできたネタ。
  • 最後ドンと笑いが起きるような大オチがあって終わってると更に高得点になったかも。
  • あと、強いて言うなら4分の中でのテンションや表現の強弱・抑揚がもっとあると、観客・視聴者をもっと引き込むことができてより大きな笑いが起きたかもしれません。
  • 非常に知性とセンスを感じるコンビで発想と構成力は十分だと思うので、あとば大舞台の経験値など場数を踏み更に技術が上がれば、優勝も見えてくるコンビだと思います。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
90 89 92 94 94 90 89 638

⑥オズワルド

内容:畠中の友達がいない

構成 24/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 19/20
客受け 19/20
エクストラポイント 10/10
合計 96/100
お気に入りのズボンと友達を交換しないかという提案で1ポイント、「俺のことでっかい中指が立ってると思え」「だとしたら爪長すぎるだろ」で1ポイント、「み〜つけた」「怖えよ」で1ポイント、「脈測られてるんだけど」で1ポイント、「親友だってさ」で大きな拍手笑いが起き1ポイント、でエクストラポイントは10。

寸評

  • 抑え目な入りから徐々に熱量を上げ、最後に大きな笑いを連発で取って終わるという理想的な流れで隙がない完成度の高いネタ。
  • ボケの畠中の“ひょうひょうとしていながらサイコ”なキャラクターを存分に生かし、お客さんを引かせずにきっちり笑いに落とし込む構成と技術はさすが。
  • 聞きやすくてわかりやすくて安定感があって、それでいて熱量があってオズワルドならではの個性があって、この時点で優勝に一歩近づいたと思ったのですが・・・。
  • 一昨年、昨年よりも着実に力を付けており風格すら感じました。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
94 95 95 96 96 96 93 665

⑦ロングコートダディ

内容:ワニに生まれ変わりたい

構成 23/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 18/20
客受け 18/20
エクストラポイント 8/10
合計 91/100
「お前は肉うどんです」の天丼で拍手笑いが起き1ポイント、「二文字タイム」「来たー」の流れの拍手笑いで1ポイント、「ワゴンR」で1ポイントでエクストラポイントは9になりました。

寸評

  • こちらも抑え目な入り、丁寧な導入でしっかり状況をわからせて後半ドカンと笑いを取る流れはよく計算されてました。
  • ただもう少しボケ数手数が多いか、最後にもう一発大きな笑いがあるかどちらかは欲しかった。
  • 普段はコントメインでやってるだけあって演技は巧み。特に「肉うどん」として啜られる時の顔の表情は秀逸でした。
  • あとはやはり審査員からも指摘があったように、コントインしてから上手か下手に2人が寄ったままでのやり取りが長く、センターマイクの必要性・存在をあまり感じない状態で最後まで行くので、“漫才”という基準で判断されると減点されても致し方ないかもしれません。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
89 90 93 95 95 91 96 649

⑧錦鯉

内容:合コンに行くから練習する

構成 24/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 18/20
客受け 19/20
エクストラポイント 10/10
合計 95/100

 一発ギャグ→「笑えよ」「どこでだよ」の淀みない流れに1ポイント、「緑の水飴がさ、田んぼの味するんだよね」「うるせえな」の流れに1ポイント、後半の畳みかけるボケと叩くツッコミのコンボに2ポイント、「50歳過ぎたら体の痛くなる場所」「膝」の拍手笑いで1ポイントで、エクストラポイントは10ポイントに。

寸評

  • ベタな設定だが、ボケのまさのりのキャラを存分に生かした万人が笑える、それでいて古さはあまり感じない、テンポのよい錦鯉ならではの素晴らしい漫才でした。
  • トップバッターのモグライダーよりも更にバカさが突き抜けていて、よりわかりやすく笑えるネタだったのが高得点の要因かと。
  • 年齢を重ねた哀愁と2人の滲み出る人柄も相まって、会場全体になんだか錦鯉に肩入れしたくなるようなムードが出てた気がします。
  • 去年はまさのりのキャラがバンと前に出た印象でしたが、今年はツッコミ渡辺の手綱捌きの巧みさとどっしりした安定感も目立ちました。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
92 94 94 90 96 94 95 655

⑨インディアンス

内容:ツッコミのきむの趣味が見つかった「怖い動画を見る」

構成 24/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 18/20
客受け 19/20
エクストラポイント 9/10
合計 94/100
「こっちの手(きむの左手)は自分でやってもうてるけどな」で1ポイント、「優しさが行方不明やわ」「あいつ東京行ってる」の天丼が見事に決まり1ポイント、「楽天モバイル」で1ポイント、最後のオチ「お前たちは誰だ」「どうもインディアンスです」もドカンとウケて終わり1ポイント、エクストラポイントは計9ポイント。

寸評

  • 2人のキャラクターはこれまでと大きく変わってないが、ツッコミきむの安定感と上手さに磨きが掛かった印象。
  • 以前よりも前のボケが次に繋がったり天丼になってたり、笑いをしっかり増幅させるような作りのネタに進化したのを感じた。
  • こういうネタは舞い上がったり掛かったりするとテンポが乱れがちだが、そんなこともなく落ち着いて堂々とやれていた。
  • 松本も指摘していたが拍手笑いが起きたところで、待たずに次にどんどんネタを進めてしまうところは、テンポを崩したくないのはわかるにせよ少しもったいなかった。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
92 91 93 94 94 93 98 655

⑩もも

内容:欲しいものがいっぱいある

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 18/20
客受け 18/20
エクストラポイント 9/10
合計 90/100
「変身ベルト顔」で1ポイント、「亀田一家顔」で1ポイント、「三つ折りマジックテープ顔」で1ポイント、「俺めっちゃ妹欲しい」「お前そんなん言うたらあかん顔やろ」で1ポイント、エキストラポイントは合計9になりました。

寸評

  • ボケツッコミ入れ替わっての応酬は見応えがあり、後半はお互いのワードでしっかりウケてました。
  • ただ3分でできるネタを4分に伸ばした印象で、もっとボケを詰め込むのかあるいは前半を少し違う展開にしておくのか、もう少し工夫が欲しいかなと思いました。
  • 今回はまだキャラクターとパターンが浸透してないこともあって1つのパターンで押し切ったと思いますが、今後はこのパターンをフリにしてすかしたり裏切ったりもできそう。
  • まだ4年目とキャリアも浅いので経験を積むと決勝常連、優勝も見えてくるのでは。
審査員の点数
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼 合計
91 90 91 96 95 92 90 645

ファーストラウンドの結果

私の採点の上位3組は

  • 1位:オズワルド96点
  • 2位:錦鯉95点
  • 3位:インディアンス94点

でした。審査の結果、最終決戦に進出したのは私の予想と同じく

  • 1位:オズワルド665点
  • 2位タイ:錦鯉655点
  • 2位タイ:インディアンス655点

の3組となりました。2位タイの最終決戦の出番順は2組の比較で点数をより高く付けた審査員が多かった方のコンビが後ということで、7人中4人がより高い点数を付けた「錦鯉」が2番目で「インディアンス」がトップになりました。

最終決戦

最終決戦はファーストラウンド3位→2位→1位の順です。

①インディアンス

内容:売れて忙しくなりたい

構成 23/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 17/20
客受け 18/20
エクストラポイント 8/10
合計 90/100
「いっせいのーれゼロ」の拍手笑いで1ポイント、怖い先輩→「ためになったねー」で1ポイント、「1ニョッキ」「ジャンケンセーや」で1ポイント、エクストラポイントは8になりました。

寸評

  • 1本目と天丼のやり方などネタの構造が同じで、このネタ自体の出来はイイと思いますが、同じパターンを2回見たという印象にはなってしまうかも。
  • 1箇所2箇所でも予想を裏切るボケや展開があると違ったのかも。
  • あと「サザエさん」「アンパンマン」などわかりやすくみんなが知ってるアニメからボケを持ってくる率が高く、ちょっと安直に笑い取ってると審査員に思われても仕方ないかも。
  • それでも高いレベルでネタを2本仕上げてきたのは見事。

②錦鯉

内容:街中に逃げた猿を捕まえたい

構成 24/25
表現力 24/25
オリジナリティー 18/20
客受け 18/20
エクストラポイント 9/10
合計 93/100
「お前は二足で行けよ」で1ポイント、「森の中へ逃げ込んだ」「じゃあいいじゃねえか」で拍手笑いが起き1ポイント、「投げ捨てるんじゃねえ」で1ポイント、じいさんを床にそっと寝かせるフリがあって、最後まさのりを床にそっと寝かせる箇所の拍手笑いで1ポイント、エキストラポイントは9になりました。

寸評

  • 1本目のシンプルにボケてツッコミが入る形から少し変化した、ツッコミの渡辺がボケと関係ない後へのフリを作ったり違った一面を見せてきたネタでした。
  • それでも変わらずまさのりのバカさは全開で、そのバカさも作られた感じやオーバーな感じなく受け入れられて、会場を味方に付けてる印象でした。
  • 1本目と2本目トータルでの見られ方受け取られ方、そこでの変える部分と変わらない部分の見極めという意味での作戦・戦略が見事でした。

③オズワルド

内容:行列に並んでる時に割り込まれた

構成 23/25
表現力 23/25
オリジナリティー 18/20
客受け 17/20
エクストラポイント 8/10
合計 89

「なんちゃって」「どれが」で1ポイント、「こいつやっちまっていいかな」で1ポイント、オチの「俺を大きい獲物にするな」がキレイに決まって1ポイント、「何がやねん」で1ポイント、エキストラポイントは8になりました。

寸評

  • ちょっとややこしい作りの漫才でお客さんに想像力を要求するネタ。それにお客さんがややついてこれなかった印象。
  • ファーストラウンドの後半から、最終決戦のオズワルドの前の2組までわかりやすい素直に笑えるネタが続いたので、余計に入り込みづらくなってしまったのかも。
  • 途中2分半くらいから若干本人たちが諦めたというか心が折れたような、少し熱が下がったように見えました。
  • 1本目と違うパターンということで用意した2本目が結果上手くハマらなかったのですが、2本トータルでの作戦・戦略の難しさを改めて実感しました。

最終決戦の結果

私の採点結果は、

  • 1位:錦鯉93点
  • 2位:インディアンス90点
  • 3位:オズワルド89点
でしたが、審査員の投票結果は
巨人 冨澤 志らく 礼二 松本 上沼
オズワルド 錦鯉 錦鯉 錦鯉 錦鯉 錦鯉 インディアンス
  • 1位:錦鯉5票
  • 2位タイ:オズワルド1票
  • 2位タイ:インディアンス1票
錦鯉が優勝。もっと票が割れるかと思いきや、5票を集め見事錦鯉が17代目の王者に輝きました。

準決勝を見た上で決勝の感想

準決勝の生配信を見た上での、決勝の感想を1組ずつ書いておきます。

  • 「モグライダー」は準決勝でもかなりウケてて、順当に決勝出を決めました。今回バカ度合いではやはり錦鯉に軍配が上がったのと、もっとバカが溢れでるようなドタバタの展開になると違っていたのかも。
  • 「ランジャタイ」は濃いお笑いファンの観客が多いと思われる準決勝で観客に大ハマりしてました。ここはM-1に寄せにいくのではなく、M-1の観客がランジャタイにハマるように審査員をも巻き込めるようにするしかないので、このままスタイルを貫いて強度を上げてもらいたいです。
  • 「ゆにばーす」は準決勝はもう少し力を抜いてやれてたのが、決勝は特に川瀬名人がかかってた印象。ただ着実に力を付けてきてるし男女コンビの特性を活かしたネタを作れるし、来年以降に期待です。
  • 「ハライチ」は準決勝は正直そんなにウケずに敗者復活に回りました。ただその敗者復活ではしっかり笑いを取ってラストイヤーの決勝に進むことができました。決勝のネタはやりたいことをやった印象でしたが、本人たちが満足ならそれでいいと思います。
  • 「真空ジェシカ」は準決勝でもしっかりウケて、そのまま決勝でもそのセンスとワードチョイスの上手さを見せてくれました。審査員とのやり取りや敗退決定時のコメントも初決勝にしてはお見事。来年以降も関東の非吉本勢としては決勝有力候補に名を連ねることでしょう。
  • 優勝候補と目されていた「オズワルド」は準決勝では貫禄を感じるくらいの出来で決勝に進みました。1本目のネタでトップに立ち、2本目で失速というのはこれまでも何組も陥ったパターンですが、めげずに来年も本命の重責を背負いながらチャレンジして欲しいです。
  • 「ロングコートダディ」は準決勝でもそのセンスを見せつけしっかりウケて、決勝も爪痕を残しました。ただ今回は“漫才じゃなくてコント”という捉え方をされがちなネタだったので、来年以降はその辺の見せ方の工夫に期待したいです。
  • 「錦鯉」は去年から認知度を上げながら、着実にネタもパワーアップして特にツッコミの渡辺のネタを進行する軸としての安定感が、数段増した印象でした。今年は錦鯉がそのキャラと人柄含め、客席を味方に付けた結果、勝利の女神が微笑んだと思います。
  • 「インディアンス」は今年は準決勝でも決勝でも安定して笑いは取り、ネタの構成面でも去年より進化が見られました。ここもきむの安定感とツッコミの上手さが着実に上がってる印象です。あとは最終決戦と2本トータルでどんなネタを用意できるかが優勝へのカギかなと思います。
  • 「もも」は準決勝もハネて、初決勝でこちらもしっかり爪痕を残しました。ネタ披露後のインタビューなどまだまだ初々しいところもあり、ネタの構成・4分の使い方や表現力など向上の余地はあると思います。関西の若手のホープとしてこれからの活躍に期待したいです。
ということで、M-1グランプリ2021の採点をしてみました。審査員の点数に関しての分析を、次回書きたいと思います。
M-1以外の賞レースも以下のように勝手に採点しております。
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