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元芸人の構成作家が【M-1グランプリ2021】準決勝を勝手に採点

私、ことりはかつて吉本興業で4年少々芸人やっておりました。今もお笑いが好きというのは変わらず、いわゆる賞レースの決勝は毎回録画して自分なりに採点して順位をつけております。昨年に引き続きオンライン配信が行われた、M-1グランプリ2021準決勝の配信チケットを購入して採点しながら視聴しました。
M1グランプリ-年末に行われる漫才日本一決定戦。出場資格はコンビ結成15年以内、プロアマ問わず。2021年は6017組がエントリー。1回戦、2回戦、3回戦、準々決勝を勝ち抜いた26組で準決勝が行われた。
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M-1グランプリ2021準決勝の採点をしてみた

項目を分けて採点してその合計点を芸人ごとに出してみました。
  • 合計100点満点で採点。
  • 【構成】:25点満点(決勝進出最低ラインを20点)。
  • 【表現力・熱量】:25点満点(決勝進出最低ラインを20点)。
  • 【オリジナリティー】:20点満点(決勝進出最低ラインを15点)。
  • 【客受け】:20点満点(決勝進出最低ラインを15点)。
  • 【エクストラポイント】:10点満点で基準点は5、クスッとくるポイントがあれば加点、あとは出番順や個人的つぼなどで加点します。

個々のネタの内容に関しては、決勝に向けてのネタバレ防止も含め触れないようにしています。

Aブロック

1.滝音

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 17/20
客受け 18/20
エクストラポイント 9/10
合計 89/100

2.ヨネダ2000(採点不可)

構成 ??/25
表現力・熱量 ??/25
オリジナリティー ??/20
客受け ??/20
エクストラポイント ??/10
合計 ??/100

3.ニューヨーク

構成 21/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 17/20
客受け 18/20
エクストラポイント 8/10
合計 86/100

4.カベポスター

構成 22/25
表現力・熱量 21/25
オリジナリティー 16/20
客受け 17/20
エクストラポイント 6/10
合計 82/100

5.マユリカ

構成 21/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 17/20
客受け 16/20
エクストラポイント 6/10
合計 82/100

6.ハライチ

構成 20/25
表現力・熱量 21/25
オリジナリティー 16/20
客受け 15/20
エクストラポイント 6/10
合計 78/100

7.真空ジェシカ

構成 23/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 16/20
客受け 17/20
エクストラポイント 9/10
合計 87/100

Aブロック寸評

  • 「ヨネダ2000」は歌ネタのため、著作権の関係で配信ではほぼ音声が消され評価不可。敗者復活戦でしっかりネタを見たいです。
  • 去年よりも全体的に笑いが多く、最初のブロックから会場がしっかり盛り上がってました。
  • このブロックでは「滝音」「真空ジェシカ」がしっかりウケていて、かつワードチョイスやネタの構成が個人的に好みでした。
  • 「ニューヨーク」「ハライチ」はお客さんにキャラクターが認知されすぎていて、期待を上回る出来にはならなかった印象。

Bブロック

8.東京ホテイソン

構成 21/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 16/20
客受け 17/20
エクストラポイント 7/10
合計 83/100

9.見取り図

構成 23/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 17/20
客受け 17/20
エクストラポイント 7/10
合計 87/100

10.ゆにばーす

構成 23/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 19/20
客受け 19/20
エクストラポイント 9/10
合計 93/100

11.ロングコートダディ

構成 23/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 17/20
客受け 18/20
エクストラポイント 8/10
合計 88/100

12.男性ブランコ

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 16/20
客受け 17/20
エクストラポイント 6/10
合計 84/100

13.アインシュタイン

構成 21/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 17/20
客受け 16/20
エクストラポイント 6/10
合計 82/100

Bグループ寸評

  • 「ゆにばーす」が決勝進出確定かなと思わせるここまでで1番のウケ。
  • このグループでそこに続くのは「ロングコートダディ」「見取り図」あたりか。
  • それ以外も明確にスベる組が無く接戦。
  • ここまで前半戦は知名度が有利に働かず、逆に手の内がバレてしまって常連組やテレビで活躍してるコンビがやや苦戦してる印象。

Cブロック

14.もも

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 18/20
客受け 17/20
エクストラポイント 9/10
合計 89/100

15.オズワルド

構成 23/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 18/20
客受け 18/20
エクストラポイント 9/10
合計 92/100

16.ランジャタイ

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 19/20
客受け 18/20
エクストラポイント 9/10
合計 91/100

17.金属バット

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 18/20
客受け 17/20
エクストラポイント 8/10
合計 88/100

18.ダイタク

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 16/20
客受け 18/20
エクストラポイント 7/10
合計 86/100

19.からし蓮根

構成 21/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 16/20
客受け 17/20
エクストラポイント 7/10
合計 84/100

20.インディアンス

構成 24/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 18/20
客受け 19/20
エクストラポイント 9/10
合計 94/100

Cグループ寸評

  • 「インディアンス」が決勝進出確定かなと思わせるほどガンガンウケていて、ネタも去年より進化が見られ見事でした。
  • 「オズワルド」もしっかりと実力を見せつけ貫禄を感じさせる横綱相撲。ほぼ決勝確実と思わせる出来でした。
  • 今年露出が増えた「ランジャタイ」も一部ネタの音声が消され内容がわからない箇所はありましたが、十分にウケてました。
  • 「もも」「金属バット」などもしっかりウケており出来もよく、上位が拮抗。
  • その他の組も数年前なら決勝進出してたであろうと思わせる出来で全体のレベルが高い。

Dブロック

21.ヘンダーソン

構成 23/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 16/20
客受け 17/20
エクストラポイント 7/10
合計 85/100

22.キュウ

構成 22/25
表現力・熱量 21/25
オリジナリティー 17/20
客受け 16/20
エクストラポイント 5/10
合計 81/100

23.アルコ&ピース

構成 22/25
表現力・熱量 23/25
オリジナリティー 17/20
客受け 17/20
エクストラポイント 7/10
合計 86/100

24.錦鯉

構成 23/25
表現力・熱量 24/25
オリジナリティー 18/20
客受け 19/20
エクストラポイント 9/10
合計 93/100

25.モグライダー(採点不可)

構成 ??/25
表現力・熱量 ??/25
オリジナリティー ??/20
客受け ??/20
エクストラポイント ??/10
合計 ??/100

26.さや香

構成 22/25
表現力・熱量 22/25
オリジナリティー 16/20
客受け 17/20
エクストラポイント 6/10
合計 83/100

Dグループ寸評

  • Aグループの「ヨネダ2000」同様「モグライダー」も歌ネタのため、著作権の関係で配信ではほぼ音声が消され評価不可。ただ客席はかなりウケてました。
  • 「錦鯉」はキャラクターバレしていながら、去年よりも進化した部分を見せ、こちらも決勝進出確定かなと思わせるほどガンガンウケてました。
  • 「アルコ&ピース」も堂々と自分たちの力は出し切った印象。あとは他のコンビとの比較か。

独断と偏見での採点結果

1位 94 インディアンス
2位 93 ゆにばーす
2位 93 錦鯉
4位 92 オズワルド
5位 91 ランジャタイ
6位 89 滝音
6位 89 もも
8位 88 ロングコートダディ
9位 88 金属バッド
評価不能な「ヨネダ2000」と「モグライダー」を除くと、上記9組に続く「真空ジェシカ」「見取り図」あたりまでが決勝候補、「ニューヨーク」「ダイタク」「アルコ&ピース」がちょっと届かないラインかなというのが私の採点結果です。実際のファイナリストは

決勝進出9組

もも
真空ジェシカ
モグライダー
オズワルド
ランジャタイ
インディアンス
ゆにばーす
錦鯉
ロングコートダディ

個人的に採点した上位9組は・・・

  • ☓「滝音」×「金属バッド」
  • 代わりに「真空ジェシカ」「モグライダー」

配信では音声が消されネタの評価ができない組もありましたが、私の採点結果と実際の準決勝の審査結果は概ね一致しました。去年は5〜6組会場のウケが弱かった印象のコンビがいましたが、今年はそれがほぼナシ。高いレベルで実力が拮抗しており、昨年以上に接戦だったという印象です。

26組トータルで振り返って

決勝進出9組に関しての個人的な印象をまとめてみました。
  • ネタに爆発力があり、会場のウケが抜けていたコンビ「インディアンス」「ゆにばーす」 「錦鯉」
  • 横綱相撲できっちり決勝進出を決めたコンビ「オズワルド」
  • 胆力といいますか、ある種強引にパワーでお客さんを自分たちの世界に引き込んでいたコンビ「ランジャタイ」
  • 新たなキャラクター、新鮮なネタの切り口などで初の決勝進出を果たし、台風の目になる可能性を秘めたコンビ「もも」「真空ジェシカ」「ロングコートダディ」
  • ネタの大部分の音声が配信では消されておりネタの詳細が不明、不気味な存在「モグライダー」

残念ながら決勝進出を果たせなかったコンビも何組か触れておきます。

  • 実力は十分だが、知名度が枷になってお客さんの期待値を超えきれなかった(それでも十分ネタのクオリティーは高かった)「ニューヨーク」「見取り図」
  • ラストイヤーの今年、既に実績十分な中大会に参加し魅力をしっかり出した「アルコ&ピース」と、会場のウケ的にやや消化不良な印象に終わった「ハライチ」
  • 数年前までの基準なら決勝に行けていた可能性大だが、全体のレベルアップによってやや凡庸な印象を受けてしまった印象のコンビ「アインシュタイン」「からし蓮根」「ダイタク」
  • 昨年より進化が見られウケも十分だったかと思うが、あと一歩届かなかった印象の「金属バット」
  • 個人的には「ヘンダーソン」のネタが気に入りました。もっと違うネタも見てみたい

という印象です。敗者復活そして決勝に関して当日まで予想を練りつつ楽しみにしたいと思います。

キングオブコントとM-1、賞レースの出番順と成績の相関を考察したりしてます。
昨年のM-1決勝を勝手に採点したり、審査員の審査結果を分析した記事もあります。
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