ことりです。構成作家・脚本・イベント制作を生業としております。
国内の秘湯を訪れる一人旅が趣味の一つです。当ブログでは、第一弾で“日本一有名な秘湯”、秋田県乳頭温泉郷の「鶴の湯」を紹介しましたが
第2弾は個人的にこれまで一番たくさん訪れた秘湯を紹介します。東京からは比較的アクセスしやすく、おひとり様に優しい極上のぬる湯と料理を満喫できる宿「宝厳堂」のある、新潟県栃尾又(とちおまた)温泉です。
栃尾又温泉
栃尾又温泉は、新潟県魚沼市湯之谷温泉郷(ゆのたにおんせんきょう)の一つ。
湯之谷温泉郷-魚沼市の小出地区から奥只見に向かう谷沿いに薬師、葎沢(むぐらざわ)、芋川(いもがわ)折立(おりたて)、大湯、栃尾又(とちおまた)、駒の湯(こまのゆ)の各温泉が並んでいます。
日本有数のラジウム含有量がある単純
放射能泉 。3軒の宿泊施設がある湯之谷温泉郷最古のいで湯で、およそ
1200年前に奈良時代の僧侶行基(ぎょうき/ぎょうぎ)によって発見、開湯されたと言われています。
栃尾又温泉への旅
最初に訪れたのはある年の冬
ある年の冬、東京から楽に行けて雪があってひっそりした秘湯感のあるところを探していて、見つけたのが「栃尾又温泉」でした。栃尾又温泉3軒の宿のうち最初に訪れたの、は一番大きな宿「自在館」。そこでこちらの温泉特有のぬる湯にハマり・・・
栃尾又温泉は3つの大浴場「したの湯」「うえの湯」「おくの湯」があり(男女別に「うえの湯」「したの湯」を利用できる日と「おくの湯」を利用できる日が1日ごとに入れ替えになる。)3宿の共同浴場になっています。それぞれのお風呂では、飲泉も出来ます。36℃というぬる目の湯に1~2時間入る長湯が伝統的な入浴法。ぬる湯に長時間浸かる事で自律神経が副交感神経に切り替わり、体の緊張がほぐれ、細胞の修復が始まると言われています。
栃尾又再訪。3軒のうちの「宝巌堂」を訪れる
ぬる湯の心地よさをもう一度味わいたいと思い、栃尾又温泉への再訪を考えていたある時。料理が凝っていてとても美味しいという評判をネットで見て(「自在館」も充分美味しいのですが)、「宝巌堂(ほうがんどう)」に行ってみることにしました。
冬の栃尾又温泉
再訪したのも雪深い季節でした。バス停を降りて正面の坂を登ると「宝巌堂」です。
宝巌堂
右側の平らな方の道の方には、以前泊まった「自在館」ともう一軒の「神風館」が向かい合って立っています。
宝巌堂は温かみがあり落ち着く空間
館内は自然素材にこだわった作りで、特に桐の床は柔らかく温かみがあり、冬場でも素足で歩き回れるようになっています。部屋も広く必要な物は十分そろっており、ちゃぶ台にはクッキーやお菓子も置かれています。お部屋は全部で7室。それぞれ間取りや趣が少しずつ違いますが、例えばこんな部屋です。
なお、こちらの宿はおひとり様歓迎を謳っており、一人泊優先の2つの部屋については、土曜日休前日、GW、お盆、他連休、年末年始等の特定日も追加料金無しで宿泊出来ます。
ぬる湯に何度も浸かる(写真はしたの湯)
出典:宝厳堂
夕食前、夕食後、朝ご飯前など、何度も温泉に浸かります。基本入浴客のみなさん喋ることなく目を閉じて瞑想しています。私もそれに倣って、毎回1時間程掛けてぬる湯で瞑想しました。
野菜中心の料理が素晴らしい!
評判の夕食は野菜中心の体に優しいメニューです。ある年の夏に訪れた際のメニューを以下にアップします。
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ある日のメニュー
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夏野菜中心
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鮎の刺身
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鮎の炭火焼
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夏野菜の天ぷら
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にいがた和牛ヒレA5
季節によってメニューは異なりますが、どの季節に行っても旬のお酒が進むものが並びます。ご飯はもちろん魚沼産コシヒカリ。毎回食べ過ぎてしまいます。朝食も健康的でご飯が進むおかずが勢揃い。
ある日の朝食
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ナスの味噌汁とご飯
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デザート
何度もリピートしてます
部屋は居心地がよく快適で、特に食事が最高です。季節ごとに旬の物を使った、一手間掛けた美味しい料理が並びます。お酒も地酒やワイン等メニュー豊富で、いつもチョイスに悩みます。何度もリピートしてポイントカード一冊分貯まりました(一冊分貯まると次回宿泊時5000円引きになります。)これまでのところ私個人として一番リピート回数が多い宿になります。
気になる料金は
気になる宿泊料金は、おひとりさまプラン
- 湯治プラン(2泊より)16650円(税込み)
- おまかせプラン(1泊より)24350円(税込み)※1品除くと550円、2品除くと1100円引き
と、決して“安い”という宿ではありませんが、個人的にはとても満足度が高い宿です。こちらの宿は一度宿泊すると年賀状が送られてきて、期間限定になりますが年賀状を持参すると宿泊料が割引になります。
栃尾又温泉へのアクセス
車で行く場合
関越自動車道・小出ICから約20分。
小出ICから奥只見方面へ約20分程。冬は積雪が3mに達することもありますのでそれ相応の準備が必要です。
鉄道で行く場合
東京駅<上越新幹線(約1時間30分)>浦佐駅<在来線(約8分)>小出駅<路線バス(約35分)>栃尾又温泉
栃尾又温泉は東京からのアクセスも良く、例えば1泊してチェックアウト後東京に戻っても昼過ぎ。午前半休でそれから仕事というのも可能な、気軽に行ける秘湯です。次回は山形県の肘折温泉を紹介します。