芸人時代

【芸人を辞め構成作家見習いに】思い出に残るアルバイト体験

ことりです。2019年7月1日よりフリーランスとして活動中。
2001年秋につんく♂さんと出会った当初、先輩の構成作家のお手伝いをしている時の仕事での収入は確か月に5万くらいでした。
それでも芸人時代は芸人としてのギャラは月に1万にも満たなかったので、それが5倍以上になり随分とましな状況になったわけですが。とはいえ当然月に5万円では食べていけないので、アルバイトをしていました。

いろんなアルバイトやりました。

芸人時代含め、居酒屋、ファストフード店、ステーキ屋、薬局等いろんなところでバイトしました。2001年秋当時やっていたのが日払いのバイトで、登録先に電話を掛けて指定された場所へ行って、指示に従って作業を行うバイトでした。引越しの手伝いからコンサートの警備からイベントの設営から色々な現場がありましたが、中でも強く印象に残ってる現場が2つあります。

誰もいないはずの部屋から男と猫が・・・

1つ目は裁判所が強制執行で差し押さえた部屋の荷物の運搬です。差し押さえられた誰もいない部屋や店舗などから残されたものを運び出す作業。横で執行官というスーツを着た人が運び出すものをチェックしています。やることは引越しとそんなに変わらず、かつ引越しほどの大荷物ではなく、比較的短時間で終わり効率的。いわばオイシイ現場何度なのですが、一度だけ差し押さえた部屋にまだ人が住んでいたことがありました。しばらく執行官と住民で押し問答があった後、部屋からまず猫が「ニャー」と飛び出してきます。続けて、着の身着のままの男性が出て来て、部屋から立ち去りました。住民と猫がいなくなった部屋には、ポツンと一本のエレキギターが置かれています。それを見た私は思いました。「この人は昔ミュージシャン志望だったのかな?バンドやってたりしたかのかな?」芸人をやめた自分とオーバーラップして非常に切ない気分になったのを覚えております。

単調すぎる作業で・・・

2つ目は某シューズメーカーの倉庫で、1日ひたすら靴にタグガンで商品タグ(値札)をつけていく作業をするという現場。
「●●スポーツさんは左足のつま先から×個目の穴にタグをつけてください」という指示があります。ベルトコンベアーを流れてくる靴をピックアップしてタグをつけて、タグ付け終わった靴をまとめて運ぶ。それを延々と続けていると・・・しばらくして「次、●●マートさんは右足のつま先から×個目の穴に〜」という新たな指示がきます。同じように作業をして、また次の指示がきて今度は別のショップ用に左足のかかとから×個目の穴に〜・・・というのを一日続けました。作業が単調過ぎて、作業しながら全然別のことばかり考えてしまいました。途中からは眠気に襲われながら、それでもなんとか靴にタグを付け続けます。全部終わった頃には正直こう思いました。「もう、これ以上靴見るの嫌になるわ!」その現場は、一回限りで遠慮させてもらうことにしました。
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