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私、ことりはかつて吉本興業で4年少々芸人やっておりました。今もお笑いが好きというのは変わらず、いわゆる賞レースの決勝は毎回録画して自分なりに採点して順位をつけております。
今回はキングオブコント2020決勝を勝手に採点してみました。
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キングオブコント2020の採点をしてみた
キングオブコント2020決勝の審査方法は
- 5人の審査員が1人100点の持ち点で審査。
- 「ファーストステージ」は各組それぞれネタ終了後、得点上位3組が「ファイナルステージ」に進出。
- 「ファイナルステージ」で2本目のネタを披露し、「ファーストステージ」の得点と、「ファイナルステージ」の得点を合計し、合計点の最も高い組が優勝となる。
という方式です。
項目に分けて勝手に採点
今回私は項目に分けて勝手に採点し、その合計点を芸人ごとに出してみました(以下敬称略)。
- 合計100点満点で採点。
- 【構成】:25点満点(決勝に出てくる最低ラインを20点)。
- 【表現力】:25点満点(決勝に出てくる最低ラインを20点)。
- 【オリジナリティー】:20点満点(同じく決勝最低ラインを15点)。
- 【客受け】:20点満点(同じく決勝最低ラインを15点)。
- 【エクストラポイント】:10点満点で基準点は5、クスッとくるポイントがあれば加点、あとは出番順や個人的つぼなどで加点。
ファーストステージ
①滝音
構成 | 22/25 |
表現力 | 22/25 |
オリジナリティー | 17/20 |
客受け | 18/20 |
エクストラポイント | 8/10 |
合計 | 87/100 |
溜めての一発目の笑い「大食い選手権なのよ」で2ポイント、「一杯目に見えんねん」で1ポイントでエクストラポイントは8になりました。
寸評
- 最初の笑いまで少々時間が掛かったが、たっぷりフリを利かせておきながらの一発目の笑い「大食い選手権なのよ」が、しっかりハマってたのはお見事。
- が、そこがマックスだった感は否めず、その後箇所箇所でウケるものの爆発的にウケるところは無かったかなと。
- あと、大食い選手権中にも関わらず、“さすけ”が競技をストップして2人で立って話し出すのは、ちょっと世界観から逸脱してしまう感じがしました。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
90 | 90 | 90 | 89 | 86 | 445 |
②GAG
構成 | 23/25 |
表現力 | 23/25 |
オリジナリティー | 17/20 |
客受け | 17/20 |
エクストラポイント | 8/10 |
合計 | 88/100 |
「中島美嘉さんじゃない?」で1ポイント、最初の笑いまでのスピードで1ポイント、馬鹿馬鹿しさ満開なところに1ポイントでエクストラポイントは8になりました。
寸評
- 人間同士がぶつかって入れ替わってしまうというのはある種定番と言えるでしょう。それを、3人組を生かして組み合わせが変わりながら、次々と発展していく作りはお見事。
- 一本調子ではなく展開があるコントではあるが、設定上元々3人が接点のない存在であるがゆえに、1人1人が独立しているように感じました。2対1の構図などが作れず、ストーリーの幅が狭い印象。
- 別の外的要因によって3人の関係性に変化が出たりすると、もう少し見え方が変わったかもしれません。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
88 | 90 | 91 | 91 | 85 | 445 |
③ロングコートダディ
構成 | 22/25 |
表現力 | 22/25 |
オリジナリティー | 17/20 |
客受け | 16/20 |
エクストラポイント | 6/10 |
合計 | 83/100 |
「段ボール初めてか?」で1ポイント追加でエクストラポイントは6に。
寸評
- 設定は悪く無いというかシステムとしてはよく出来ていると思うが、如何せん盛り上がりに欠けたいうか、笑いどころのピークが少ない印象でした。
- 2人の関係性、ネタの構図としての分かりやすさ・見やすさはあるので、一個何か飛び道具的な話を展開させるものがあればよかったのかも。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
90 | 88 | 90 | 90 | 88 | 446 |
④空気階段
構成 | 23/25 |
表現力 | 24/25 |
オリジナリティー | 18/20 |
客受け | 18/20 |
エクストラポイント | 10/10 |
合計 | 93/100 |
“ラジオ番組を下ろす霊媒師”で1ポイント、「誰と誰の何?」で1ポイント、おばあちゃんが出てくるタイミングの上手さで2ポイント、最後オチもキレイに決まったので1ポイント、エクストラポイントは10になりました。
寸評
- 変な霊媒師と客というのはわりとありそうな設定ではあるが、霊媒師にラジオ番組(の会話)が下りてくるという一工夫があり、それをしっかり演じる“鈴木もぐら”の演技力も見事。
- 小道具の出し方含め、途中から話の展開もあってダレずに見ることが出来た。
- 最後オチもキレイに決まって、しっかりとした技術に基づいた、いいコントだったという印象です。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
94 | 93 | 89 | 92 | 90 | 458 |
⑤ジャルジャル
構成 | 24/25 |
表現力 | 25/25 |
オリジナリティー | 18/20 |
客受け | 19/20 |
エクストラポイント | 10/10 |
合計 | 96/100 |
説明セリフっぽくなく短時間ですっと設定を分からす技術に1ポイント、2人のやりとりのテンポの良さと掛け合いの技術に2ポイント、しっかり笑いを取る安定感に1ポイント。分かりやすいがベタさを感じさせないところに1ポイント、エクストラポイントは10。
寸評
- 歌手と事務所の社長のコントで、歌へのダメ出しかと思いきやヤジ。ヤジかと思いきや歌へのダメ出しという設定は、そこまで複雑では無いが、技術と表現力がかなり必要。それを5分間持たせることが出来るのは、流石のキャリアと実力。
- 基本天丼だが、バリエーションもあり笑いどころも各所にあって、非常によく出来たコントでした。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
95 | 97 | 96 | 94 | 95 | 477 |
⑥ザ・ギース
構成 | 23/25 |
表現力 | 24/25 |
オリジナリティー | 17/20 |
客受け | 18/20 |
エクストラポイント | 7/10 |
合計 | 89/100 |
ハープの演奏技術に1ポイント、最後のオチ(紙切りの技術)に1ポイントでエクストラポイントは7。
寸評
- ハープ演奏含め技術は流石ベテランの一言。前半のツッコミが若干ハマらず、流れに乗り切れなかった印象も。
- 小道具を使ったりの小ボケはウケていたが、話の展開の中での裏切り的な大ボケが無くそこが惜しいなぁという印象です。
- もっとダイナミックスさというか仕掛けがあれば・・・。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
92 | 91 | 91 | 91 | 92 | 457 |
⑦うるとらブギーズ
構成 | 22/25 |
表現力 | 24/25 |
オリジナリティー | 16/20 |
客受け | 16/20 |
エクストラポイント | 6/10 |
合計 | 84/100 |
あまり盛り上がりどころの無いネタという印象で、個人的にハマる箇所は無かったです。演技力と安定感に1ポイント加算でエクストラポイントは6になりました。
寸評
- 師匠と弟子というオーソドックスな設定。が、そこを裏切ることもなく、言うなればアクシデントや事件が起きること無く、淡々と進んでいったネタという印象。
- 師匠なのか弟子なのかにもっとキャラクターがあったり、展開がもう一展開二展開あったり、山場が欲しいと思いました。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
90 | 87 | 87 | 89 | 87 | 440 |
⑧ニッポンの社長
構成 | 23/25 |
表現力 | 23/25 |
オリジナリティー | 19/20 |
客受け | 18/20 |
エクストラポイント | 9/10 |
合計 | 92/100 |
“けんと”なのに見た目に引っ張られて「ケンタ」に1ポイント、歌でのラップのところで1ポイント、ストーリー展開のダイナミックスさとドラマチックさに2ポイントでエクストラポイントは計9ポイント。
寸評
- 上半身人間下半身馬のケンタウルス男が、顔が首から下が人間の女と出会い・・・というトリッキーな設定から、歌へと到る展開は素晴らしかったです。
- 歌の中でもしっかりと仕掛けがあって飽きさせない構成は上手でした。
- 決勝初出場ですが、将来楽しみなコンビです。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
92 | 91 | 86 | 92 | 93 | 454 |
⑨ニューヨーク
構成 | 23/25 |
表現力 | 23/25 |
オリジナリティー | 18/20 |
客受け | 19/20 |
エクストラポイント | 8/10 |
合計 | 91/100 |
歯で岩を持ち上げたところで1ポイント、結婚式での余興ボケのバリエーションで1ポイント、舞台を広く使っての暴れっぷりに1ポイントでエクストラポイントは計8ポイント。
寸評
- 結婚式の余興(挨拶)という設定から、舞台を広く使っての幅広い展開で客ウケも良かったです。
- 一つ一つのボケがしっかり全部ウケてお客さんにハマってた印象。
- 欲をいうと、屋敷のツッコミのフレーズなのかツッコミ方によっては、更に笑いを増幅出来たのではと個人的には思いました。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
92 | 90 | 92 | 93 | 94 | 461 |
⑩ジャングルポケット
構成 | 22/25 |
表現力 | 24/25 |
オリジナリティー | 17/20 |
客受け | 17/20 |
エクストラポイント | 7/10 |
合計 | 87/100 |
3人のセリフのテンポ感で1ポイント、相関図のくだりで1ポイント、エキストラポイントは合計7になりました。
寸評
- 監禁された“斉藤”を2人が脅すという設定はシンプル。
- そこからの展開に期待したが、意外と斎藤の使い方が大人し目というか、もっと斉藤が暴れ回る方が面白いコントになったのかなと思ってしまいました。
- 3人の演技力も相まって、すごくいい始まり方のコントなだけに期待値を下回った印象。テンポや間や技術は間違い無く高いだけに、別のネタを見たかったです。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
92 | 91 | 88 | 92 | 91 | 454 |
ファーストステージの結果
私の採点の上位3組は
- 1位:ジャルジャル96点
- 2位:空気階段93点
- 3位:日本の社長92点
でしたが、審査の結果ファイナスステージに進出したのは
- 1位:ジャルジャル477点
- 2位:ニューヨーク461点
- 3位:空気階段458点
の3組となりました。
ファイナルステージ
①空気階段
構成 | 23/25 |
表現力 | 24/25 |
オリジナリティー | 17/20 |
客受け | 18/20 |
エクストラポイント | 7/10 |
合計 | 89/100 |
鈴木もぐらのキャラの登場時のインパクトで1ポイント、その後もそのキャラの個性でダレずに引っ張れる強さに1ポイントでエクストラポイントは7になりました。
寸評
- 授業中の教室の前後の席の男女の設定なので、2人のやりとりが手紙を書いて渡してという形になってしまう。それゆえ、どうしてもそこで時間を取り、笑いもリセットされてしまう印象。
- “静”と“動”で言うと“静”な感じがしてしまったが、“鈴木もぐら”演じるキャラが魅力的なので、もっと大暴れするようなネタを期待してしまいました。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
92 | 93 | 90 | 95 | 93 | 463 |
ファーストステージ | ファイナルステージ | 合計 |
458 | 463 | 921 |
②ニューヨーク
構成 | 22/25 |
表現力 | 24/25 |
オリジナリティー | 17/20 |
客受け | 17/20 |
エクストラポイント | 6/10 |
合計 | 86/100 |
弟分屋敷が帽子を取らない理由をウタウダ述べるのに対しての嶋佐の「ガタガタうるせえ」が決まって1ポイント、エクストラポイントは6になりました。
寸評
- ヤクザの組事務所での兄貴と弟分の会話。
- 大雑把に言うとヤクザの怖さという“緊張”があり、それを帽子を取る取らないという、ある種どうでもいいやりとりの中で“緩和”があるコント。もっとバカに振り切って緩和させるのか、工夫・仕掛けが欲しいと思ったネタでした。
- 例えば2人の背景、どんな人生でどんな関係性なのか、とかが見えたりすると違って見えるのかなと・・・。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
95 | 95 | 90 | 91 | 92 | 463 |
ファーストステージ | ファイナルステージ | 合計 |
461 | 463 | 924 |
③ジャルジャル
構成 | 25/25 |
表現力 | 25/25 |
オリジナリティー | 18/20 |
客受け | 19/20 |
エクストラポイント | 10 |
合計 | 97 |
タンバリンをスムーズにカバンにしまえずに音が鳴ってしまい1ポイント、金庫の中にもタンバリンで1ポイント、小さい金庫から鈴に1ポイント、次から次にしっかり仕掛けがある後世の上手さに1ポイント、ファイナルの舞台でバカバカしいことをやり切った姿勢に1ポイント、で計10ポイント
寸評
- 個人的な感想としては2本目(ファイナルステージ)はジャルジャルの圧勝という印象でした。
- 1本目とは違う種類でありながら、バカバカしくてしっかり受けるネタでした。それをこの大舞台に持ってきて、しっかり演じきった経験と判断力と、元々兼ね備えてるセンスと地肩の強さが際立った舞台でした。
- 構成も2人の表現力も非の打ちどころが無く、お見事の一言。
審査員の点数
設楽統 | 日村勇紀 | 三村マサカズ | 大竹一樹 | 松本人志 | 合計 |
93 | 94 | 90 | 92 | 95 | 464 |
ファーストステージ | ファイナルステージ | 合計 |
477 | 464 | 941 |
ファイナルステージの結果
私の採点結果は、
- 1位:ジャルジャル97点、
- 2位:空気階段89点
- 3位:ニューヨーク86点
でしたが、審査員の点数は
- 1位:ジャルジャル941点
- 2位:ニューヨーク924点
- 3位:空気階段921点
ジャルジャルが優勝。審査員の点数を見ると個人的にはジャルジャルの2本目のネタはもっと評価されても良いような気はしましたが・・・。
ということで、キングオブコント2020の採点をしてみました。審査員の点数に関しての分析は、次回書きたいと思います。
続いてはこちら
https://kotori1107.com/king-of-conte2020-2/